航空会社は新型コロナ(Covid-19)で大きな打撃を受けている産業の1つですが、実際にいくつかの航空会社が破産して倒産しています。

 

つい先日もオーストラリアで第2の航空会社であるヴァージン・オーストラリア航空が倒産してしまいました。

かなり大きな航空会社でありますが、飛行機自体キャンセルが多いため収入がなく、また逆に支出は大きいためキャッシュが尽きてしまっています。

 

ヴァージン・オーストラリア航空

ヴァージン・オーストラリア航空は、オーストラリア第2の航空会社でLCCではありません。

4月21日に任意管理手続き(民事再生法)に入り事実上経営破綻しました。

 

もともとLCCとの競争激化で業績不振に陥っていていましたが、新型コロナが追い討ちをかけての倒産です。

しばらくはオーストラリア人の帰国のための国際線や医療従事者の輸送、貨物の輸送などの運行は継続されるようです。

 

ちなみにオーストラリアはカンタス航空が最大手です。市場の60%を占めているそうで、ヴァージン・オーストラリアは30%だったようです。それでも潰れちゃうんですね。

 

買収先も探していて、中国国際航空など10社以上が興味を示しているようです。

 

フライビー

1979年創業のイギリスの航空会社です。3月5日に破産を申請しました。

 

フライビーはイギリス国内線をメインに運行していましたが、2019年夏頃からいつ経営破綻してもいいような財務状況だったようです。

 

LCCに分類される航空会社です。

スコットランドのローガンエア航空が、フライビーが運航していた中で16路線を引き継ぐ方針です。

 

イギリスを始めヨーロッパではLCCがめちゃくちゃあるから、どんどん倒産・買収されていきそうです。

 

コンパス航空

アメリカにあるLCCです。アメリカンイーグルブランドで、アメリカン航空のフライトを運行する航空会社でした。

 

2012年にはケネディ国際空港の滑走路を走り出したのに、その途中で客室乗務員同士で喧嘩が勃発して一旦搭乗ゲートまで戻り他の客室乗務員を探すという前代未聞のトラブルも起こしていますw

 

喧嘩の原因が客室乗務員が携帯電話を切らなかったことからで、一方の客室乗務員が「客室乗務員も携帯電話は切りましょう」とアナウンスを機内でしてから喧嘩が始まったとのこと。

 

遅延率も30%もあったというあまり評判がよろしくない航空会社だったようです。

 

南アフリカ航空

完全な経営破綻ではないですが全従業員にあたる4,700人ほどを解雇するとのことです。

 

この航空会社も経営状態は悪く、2011年から利益を計上できてなかったようです。

2019年に南アフリカ政府が支援を行うことを発表していたので、これを機に国有化になるのでは?とも言われています。

 

韓国の航空会社が危ない?

Photo by Unsplash

 

韓国では大手もLCCもどちらも倒産するのではと予想されています。

 

大手第1位が大韓航空で第2位がアシアナ航空です。

 

大韓航空は旅客売り上げの90%以上を国際線が占めていて、新型コロナの影響で週900便もあった国際線が現在週50便にまで大きく減っています。

固定費(航空機リース代や人件費など)は毎月450億円を支払っているようで、5月までに手元の資金が底を尽きるという見方が出ています。

 

アシアナ航空は新型コロナの影響前から経営難で、2019年末にHDC現代産業開発がアシアナ航空買収の優先交渉対象者となり買収手続きをしていました。

しかしこの新型コロナの影響でHDC現代産業開発内外では買収を辞めるべきだという声が強まっていて、そうなればアシアナ航空は倒産するしかなさそうです。

 

韓国のLCCもやはり業績不振が顕著でしたが、2月にLCC各社に対して約250億円の緊急融資を行うと韓国政府が発表していています。

また4月22日には政府が航空業界を含む基幹7業種に向けて総額3兆5000億円規模の支援策をまとめたようですが、分配額も中身も不明であり効果は未知数だと言われています。

つまり政府は国営化を目指しているのでは、ということですね。

 

そして5月に国会での法改正が必要で、支援が行き届くのは早くて6月。それまでに韓国の航空業界のキャッシュが持つとは思えないということも懸念されています。

 

新型コロナで倒産した航空会社まとめ

4月下旬で書いていますが、5月中旬あたりだともっと倒産する航空会社が増えているはずです。

 

欠航が相次いでいる状況なだけに、航空会社はコストカットに躍起になっています。

従業員への無給の休暇取得やサラリーカットなど。

キャセイパシフィックやエミレーツなどでも1ヶ月程度の無給休暇を従業員に対して行ってます。

 

日本でもANAが1.3兆円の資金調達をしていますが、新型コロナの影響が来年まであると考えると足りないのではないでしょうか。

 

ANAHDは600億円近くの赤字を出していました。

 

JALはまだ財務状況は良いですが、新型コロナで海外旅行者数が増えないとこちらも厳しいのは間違いありません。

 

倒産したら貯めているマイルは無効になるでしょうね。

 

航空業界だけではなく、飲食・宿泊業なども軒並み倒れていく未曾有の年になりそうです。

 

 

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